JABE
日本生物教育会全国大会
2013 東京大会
実験講習会 J08~11 (終了しました)
動物の感覚・脳・行動のしくみを、昆虫(カイコガ)を対象に解説するとともに、感覚器の観察、脳の解剖、行動実験、筋電位の計測を通して、そのしくみを理解します。画像や映像、個別に配布するプリント資料などを効果的に用い、実習と解説を同時に進行します。実際に昆虫に触れ、脳の解剖、筋電位の計測など、昆虫と人間の感覚能力の違いを体験できる手作りの装置を配置し、参加者自らが操作することで、動物によって異なる感覚や脳・行動の仕組みがあることを理解できる実験講座です。
また、京スーパーコンピュータに昆虫の脳をつくる研究など最先端の研究を紹介します。
注意事項
①10:00-17:00(9:50)
②研究室HP http://www.brain.rcast.u-tokyo.ac.jp 無脊椎動物脳プラットフォーム http://invbrain.neuroinf.jp
カイコガやショウジョウバエのようにモデル昆虫として古くから利用されている種をはじめ、昆虫は様々な角度から生物学全体の進展に貢献しています。本実習では、昆虫を材料とした研究の中で特に病原体の感染に対する防御機構について紹介します。生物進化の長い歴史の中で、病原体への防御反応は生物によって様々に発達してきましたが、動物に広く共通の「自然免疫システム」について、近年急速に理解が深まりつつある状況です。カイコ、ショウジョウバエの体の中で起きる反応(抗菌物質の合成)を観察しながら、1)抗体システムを持つ人間との相違点、2)進化の過程で保存されてきた免疫システム等について考えてみたいと思います。
注意事項
①9:00-16:00(8:55)
発生学の金字塔であるシュペーマン・オーガナイザーの移植実験を、アフリカツメガエル胚を用いて自ら体験します。また、アフリカツメガエル卵の受精や卵割、原腸形成の観察も行います。実体顕微鏡下での細かな作業が中心です。また講義にて発生の分子メカニズムの一端を学びます。
実体顕微鏡で胚撮影が可能で、画像データの持ち帰りはUSBメモリが必要です。二次軸形成(移植後1~2日)観察のため胚の持ち帰りには保冷箱と保冷剤が必要です(14~23℃に保つため)。
注意事項
①9:00-17:00(8:50)
ヒトに近い内臓配置を持つブタ(胎児)の標本を用いて、系統的に解剖学実習を行います。体表観察から始まり、皮剥し、主要な末梢神経と筋、頚部・胸部・腹部の内臓の配置、脳を順に剖出・確認しながら、主要な臓器間のつながりを理解し、からだの構造と機能の関係を考えていきます。また、胸膜・腹膜と臓器との関係も剖出しながら確認することができます。これらの臓器配置の理解は、脊椎動物の進化や、発生における三胚葉とその分化のイメージを得るのに大変有効です。
注意事項
①9:00-17:30(8:50)
②白衣とデジタルカメラ、USBメモリをご持参ください。ブタは固定液で殺菌された解剖実習専用の標本です。血管に色素樹脂が注入され、出血はありません。ただし、ホルマリン等の化学物質に過敏な方は受講をご遠慮ください。摘出した標本は持ち帰って教材にできます。
定員 20名
参加費 1,500円
J-9 昆虫が病気から身体を守るしくみ
~モデル昆虫を用いた自然免疫の実験
講師 朝野 維起(首都大学東京・大学院理工学研究科)
会場 首都大学東京 8号館287教室
J-8 カイコガを用いた神経細胞と行動の実験
講師 神崎 亮平(東京大学先端科学技術研究センター)
会場 東京大学先端科学技術研究センター 3号館 中2階セミナー室
定員 20名
参加費 1,500円
J-10 発生のしくみ ~オーガナイザー移植実験
講師 平良 眞規(東京大学大学院理学研究科生物科学専攻)
会場 東京大学理学部(本郷キャンパス)理学部2号館148号室
定員 20名
参加費 3,000円
J-11 ブタの解剖学実習
講師 樋口 桂 (文京学院大学保健医療技術学部)・川崎 堅三(鶴見大学歯学部)
会場 文京学院大学女子高等学校 本部棟2階生物実験室
定員 20名
参加費 4,000円