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【1 はじめに】
 八丈島(面積約70㎢)は、北西側に八丈富士(標高854.3m)、南東側に三原山(標高700.9m)の二つの火山が基盤となっています。八丈富士は伊豆諸島の最高峰で、山体が形成されてから約1万年と新しく、全体に溶岩が露出しているところが多く見られます。三原山は山体が形成されてから数十万年が経過して尾根や谷の地形形成が進んで、水と土壌に恵まれた照葉樹林が発達しています。八丈島には在来植物、帰化植物をあわせて約800種が自生し、「ハチジョウ」の名のつく植物が26種(参考文献1)、この他にも伊豆諸島の固有種・準固有種が多く自生しています。また伊豆半島、房総半島などの照葉樹林や海岸植生との共通種が多い一方、亜熱帯地域に分布するオオタニワタリや
木性シダのヘゴなどのシダ植物も豊富で、八丈富士にはハチジョウコゴメグサやハチジョウツレサギなどの冷温帯・亜寒帯に共通種をもつ植物まで自生するなど、多様な植物が観察できます。この機会に伊豆諸島の海洋島で幅広いバイオームの生物、島嶼の固有種を直接観察して、植生の分布と成り立ち、海洋島での種分化と進化の過程、島の生物相と生態系を学んでみませんか。



【2 目的】
 伊豆諸島の中でも南方に位置し、暖流・黒潮の影響を強く受けている八丈島をケーススタディ・フィールドとして、海洋島の自然・生物、特に伊豆諸島固有種・準固有種とその進化、植生をベースとした島の生態系を探ることに焦点を当てていきます。



【3 研修内容】
1)フィールドワーク:コース共通
  ①見学「八丈ビジターセンター」・講義「八丈の生物」(8日午前)
  ②講義「島の植生と進化」・観察「光るキノコ」(8日夜間)
  ③八丈富士登山(9日午前)

  ④島内自然観察(9日午後)
2)フィールドワーク:8日午後は、以下の2つのコースのうち、どちらかを選択してください。

  〔シュノーケリングコース 定員8名〕

    海岸から泳いで八丈島の海の生物を観察します。(インストラクターが補助につきます)
  〔三原山植生観察コース 定員8名〕

    八丈島でも地形が複雑に発達している古い火山である三原山の植生を観察します。

    (翌日、新しい火山である八丈富士の植生と比較ができます)

【4 参考文献・サイト】
1)八丈島の植物ガイドブック 八丈島インタープリテーション協会

2)伊豆七島フィールドガイド 神津島花図鑑 七島花の会 神津島 日本出版ネットワーク

3)八丈ビジターセンター ホームページ http://www.hachijp-vc.com/

 

【5 学習指導要領における位置づけ】
・生物基礎:生物の多様性と分布、植生と遷移、気候とバイオーム
・生物:種分化と隔離・共進化

・総合的な学習の時間:地域の生物資源(光キノコ)の活用



注意事項

・集合場所は、三宅島コースと同じ、東京・竹芝桟橋の東海汽船旅客待合所です(JR浜松町駅から徒歩8分)。
・天候不調(台風の到来)が見込まれる場合は、実施を中止することがあります。
・2日目は八丈富士登山(約3時間)も予定しています。登山道は整備されていますが、山歩きができる装備(しっかりした靴・日除けの帽子・レインウエア・双眼鏡等)が必要になります。

・往路は大型客船、帰路は飛行機での移動となります。最終日は、東京・羽田空港に18:30頃の到着予定です。

Cコース 八丈島の自然(2泊3日 船中1泊含む)
ー終了しました。
講師 星野義延 氏(東京農工大学大学院)
集合 竹芝桟橋 (8月7日 21時00分)
交通 JR山手線・京浜東北線・東京モノレール「浜松町」駅から
    徒歩10分

定員  16名(最少催行人員 10名)  参加費 48,000円

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