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【1 はじめに】
 三宅島(周囲約35km、面積約55㎢)は、東京から南南西へ約180kmの太平洋上に位置するほぼ円形の火山島です。黒潮の影響により年平均気温は約17℃、年間降水量は2800㎜以上の温暖多雨な気候で、海岸から標高450m付近にかけては、主としてスダジイやタブノキなどが優占する照葉樹林が分布し、また、オオバヤシャブシ、オオシマザクラ、オオバエゴノキなどからなる二次林も広く分布しています。2000年にはカルデラの形成と大量の火山灰の噴出を伴う噴火が起き、その後の引き続く火山ガスの発生とあわせて島の生物相に大きな影響を与えました。特に、標高450m付近より上では植生の消失と土壌の流出が大きく、島の東部と南西部において、火山ガスによる樹木の枯死が目立っています。この噴火以前にも1983年、1962年、1940年、1874年に溶岩とスコリアの噴出を伴う割れ目噴火が起き、それぞれの噴火の跡地には特徴的な植生が発達しています。
また、「バードアイランド」とよばれている三宅島では、これまでに約250種類の野鳥が確認され、アカコッコやイイジマムシクイなど三宅島を特徴づける鳥以外にも、オーストンヤマガラ、モスケミソサザイ、タネコマドリなど本州の別亜種が生息し、ウチヤマセンニュウ、カラスバト、カンムリウミスズメなども生息しています。これらのことから島全体がBird Life InternationalのIBA(Important Bird Areas)に指定されています。



【2 目的】
1) 三宅島における遷移の実際を、観察・調査などを通して学び、生物基礎の授業の教材として活用するとともに,大学の専門家による遷移に関する最新の講義を受けます。
2) 伊豆諸島に特徴的な生物とその進化について、実際の生物を観察しながら学びます。
3) アカコッコ,イイジマムシクイ,カラスバトなどの天然記念物やモスケミソサザイ,オーストンヤマガラなど絶滅危惧の鳥類の観察を行います。また,帰りの航路ではオオミズナギドリやアホウドリ類など海鳥の観察も行って、島の生態系について学びます。
                              
【3 研修内容】
1日目

① 三宅島到着後,大路池周回道路を散策(天然記念物の鳥類とスダジイやタブの優占する照葉樹林を観察)
② 1983年噴火で消失した植生の回復のようすを観察・植生調査
③ 2000年噴火による降灰跡地に生じたガリーや植生に与える火山ガスの影響を観察
④ 1962年、1874年の溶岩流の跡地の植生を観察・調査
2日目

① 噴火の影響をほとんど受けていない照葉樹林を観察・植生調査
② 海岸の植生の観察およびウチヤマセンニュウなどの鳥類の観察
③ 帰りの客船上で海鳥の観察



【4 参考文献・サイト】

みやけエコネット http://www.miyake-eco.net

【5 学習指導要領における位置づけ】

生物基礎:植生の多様性と分布:植生と遷移、気候とバイオーム



注意事項 

・集合場所は、八丈島コースと同じ、東京港竹芝桟橋の東海汽船旅客待合所になります(JR浜松町駅から徒歩8分)。
・天候不調(台風の到来)が見込まれる場合は、実施を中止することがあります。
・島内や航路で鳥類の観察をします。双眼鏡を持参して下さい。
・溶岩流跡を歩き,調査もします。しっかりした靴、レインウエア、日除けの帽子が必要です。

 また,森の中も歩きます。虫除けがあるといいでしょう。
・往路・復路は共に大型客船で、最終日は東京港竹芝桟橋に20:30ごろの到着予定です。

Bコース 三宅島の自然(2泊3日 船中1泊含む)

―終了しました

講師 上條隆志 氏(筑波大学生命環境科学系)
集合 竹芝桟橋 (8月7日 21時00分)
交通 JR山手線・京浜東北線・東京モノレール「浜松町」駅から
    徒歩10分

定員  20名(最少催行人員 10名)  参加費 40,000円

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