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生物教師のための「夏の学校」 (終了しました)

 

講座1)遺伝子・ゲノム分野

個人ゲノム時代にむけての生物教育


鎌谷 直之 氏

株式会社スタージェン

情報解析研究所 所長

講座2)免疫分野

バッチリわかる! 免疫学

河本 宏   氏

 京都大学 再生医科学研究所

 再生免疫学 教授

講座3)生態分野

今こそ、生態学のさまざまな側面を!


宮下 直  氏

 東京大学大学院

 農学生命科学研究科 教授

 ゲノムという言葉が一般に広く使われるようになる中、その研究は驚くべき勢いで進んでいきます。そして現在、こういった研究成果が、身近な医療現場などに浸透しはじめ、この分野が内包しているさまざまな問題を授業で取り上げていくためには、新しい流れを正確にとらえていかなければなりません。この講座では、「ゲノム研究を知るための基礎知識」から、「ゲノム情報がどのように解析され、どのように使われているのか」、そして、「今後、どのように使われていくようになるのか」といったことを知り、議論していきたいと思います。

 最近の指導要領の改訂に伴い、生物基礎で免疫学をより詳しく扱うようになりました。これまでの高校生物では、免疫は「生体防御分子としての抗体の働き」の話が中心でしたが、免疫学の中心課題は、40年くらい前からT細胞を軸とした「細胞の連携の仕組み」になっています。今回の改訂により、ようやく追いついた感があります。例えば「どうしてT細胞は特定の抗体をつくるB細胞だけをヘルプできるのか?」という疑問に答えるには、教える側が基本をよく理解しておく必要があります。講義では獲得免疫系の仕組みを正しく理解して頂くことを主眼とし、「自然免疫系センサー分子」「再生医療と免疫」などの新しい話題にもふれようと思います。

 現在、「生物多様性」は、きわめて大切なキーワードになりつつあり、高等学校の生物において、多様性の実体を正しく教えることは、担当教員にとって、重要な課題の一つです。基礎科学としての重要性はもちろん、私たちが将来にわたって自然の恵みを享受していくために生物多様性は不可欠だからです。この多様性の理解には、遺伝子、種、生態系といったレベルにおけるアプローチが必要で、その際、力を発揮するのが生態学の論理的な考え方です。この講座では、生態学者たちがもたらした新しい知見に触れ、「生物の生活」と「その環境」の関係を把握し理解していく現代の生態学について知り、議論していきたいと思います。

 新企画「教師のための夏の学校」は、勢いを増しながら新しくなっていく生物学の流れの中で、最新の知識を取り入れるだけでなく、あらためて、一人一人の教員が何を教えていくべきかを問い直す場を作りたいという思いから企画されたものです。特に今回は、「ゲノム・遺伝」「免疫」「生態」の三つの分野に光をあて、各講座の準備をいたしました。それぞれの企画では、最先端の研究現場でご活躍されている講師の先生方をお招きし、豊かな体験をもとにしたお話の中から、意義深いアドバイスを多数いただけるものと思っております。また、参加する先生方による活発な議論の場を作っていきたいとも考えていますので、皆様の積極的なご参加をお待ちしています。なお、運営の都合上、大会申込みの際に参加を希望する講座をお聞きしますが、大会当日に、参加する講座を変更してもかまいません。

お問い合わせ先

大会および本サイトに関するお問い合わせは、

下記までお願いいたします.

 

‹MAIL: tokyo2013jabe@gmail.com

 

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