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【1 はじめに】
 高尾山は、新宿から約1時間の位置にある標高599メートルの低山であり、暖温帯と冷温帯のボーダーラインあたりに位置していることや、一帯が信仰上の理由等で長い間保護されてきたことから、多様な動植物に恵まれています。高尾山に生息する植物は、周辺域を含めて1500種以上ともいわれ、高尾山で初めて発見された植物も数多く存在します。
 山としては小さいですが、関東平野からは失われてしまった自然性の高い照葉樹林が残る山として貴重な場所です。また、中腹北面には謎の多いイヌブナ優占林が発達し、人工林や二次林と合わせると、多様な森林を観察することができます。これに加えて、2011年秋の台風で多数の倒木が生じて、その後に様々な植物が入り込み、樹木の生き方を垣間見るチャンスが生まれました。

 1回の観察で見られるのは、植物の生活の断片でしかありませんが、そこから思考を巡らし、他の場所とも比べながら、植物の「生」について考えてみたいと思います。



【2 目的】
 都会から日帰りで訪れることのできる高尾山に登り、ブナ科のカシ、イヌブナ等の観察を通して、高尾山の植生や生態について学びます。

【3 講座内容】
1) 講義(翔陽高校)

 ①コース説明、注意点  ②用語説明、ブナ科の分類  ③芽鱗や芽鱗痕、徒長のしかたを観察
2) 実習内容
 ①樹木の伸長のしかた  ②植物の繁殖と戦略  ③高尾山の照葉樹林の特徴等の観察



【4 参考文献・サイト】

「ドングリの戦略」~森の生き物たちをあやつる樹木~ 著者:森廣信子 出版社:八坂書房

【5 学習指導要領における位置づけ】
生物基礎:植生の多様性と分布、日本のバイオーム、生態系とその保全



注意事項

・整備された道を歩きますが、足元が湿っていることもあるので歩きやすい服装を靴で来てください。また、レインウエアは必ず持参してください。
・動植物の採集は禁止されています。採集をしないようにしてください。
・一日の観察のまとめを、16:30~17:30まで高尾山麓の蕎麦屋で行います。

Aコース 高尾山の自然(日帰り) ―終了しました

講師 森広信子 氏(森林総合研究所多摩森林科学園)
集合 東京都立翔陽高等学校 (8月8日 8時30分)
交通 京王線・JR中央線「高尾」駅から
    「館ヶ丘団地」行・バス10分「医療センター」下車 徒歩1分

定員  20名(最少催行人員 5名)  参加費 3,000円

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